事業系一般廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、産業廃棄物20種類に該当しないものです。オフィスの紙ごみ、社員食堂の生ごみ、店舗の売れ残り食品などが代表例で、処理責任の枠組みは市町村の一般廃棄物処理体系に乗ります。

「会社のごみ=産廃」でも「会社のごみ=家庭ごみと同じ」でもない、この中間カテゴリの理解が、オフィス・店舗のごみ管理の出発点です。

3つのごみ区分を整理する

区分定義処理ルート
家庭系一般廃棄物家庭の日常生活から出るごみ市町村の収集(集積所)
事業系一般廃棄物事業活動由来で、産廃20種類以外市町村の許可業者に委託 or 処理施設へ自己搬入。家庭ごみ集積所は使用不可
産業廃棄物事業活動由来の法定20種類都道府県等の許可業者に委託(契約+マニフェスト)

重要なのは、事業系一般廃棄物の委託先は「市町村の一般廃棄物収集運搬業許可」を持つ業者であって、産廃業者とは許可制度が別だという点です。1社が両方の許可を持つこともありますが、確認は別々に必要です。

オフィスごみの仕分け例

ごみ区分
コピー用紙・書類・段ボール事業系一般(古紙リサイクルルートが基本)
弁当がら・ペットボトル・ファイル等のプラ産業廃棄物(廃プラスチック類)
給湯室・食堂の生ごみ事業系一般
缶・金属製品産業廃棄物(金属くず)
ガラスびん・陶器のマグカップ産業廃棄物(ガラス・陶磁器くず)
蛍光灯・電池産業廃棄物水銀・リチウム電池に注意
木製家具事業系一般(業種指定外の木くず)

このように同じごみ箱の中身が法律上は2区分に分かれます。実務では、自治体の指導に沿って「資源化できる紙」「事業系一般」「産廃(プラ・金属等)」の3系統に社内ボックスを分けるのが定石です。

※ 運用の細部(少量の産廃の扱い、プラの資源化区分など)は自治体により差があります。所在地の市町村の事業系ごみルールを必ず確認してください。

排出事業者の義務

事業系一般廃棄物にもマニフェストこそありませんが、適正処理の責任は事業者にあります(法第3条)。

  1. 家庭ごみ集積所に出さない(少量でも不可)
  2. 市町村の許可業者と契約する(ビルの場合はビル管理会社経由が多い)
  3. 多量排出者への減量計画:一定規模以上の事業者に減量計画書の提出を義務付ける市町村が多数
  4. 古紙など資源化ルートを優先する(処理費削減にも直結)

あわせ産業廃棄物という例外

市町村は、一般廃棄物とあわせて処理できる産業廃棄物を自区域内で受け入れることができます(法第11条第2項)。少量の産廃について市町村施設での処理が認められる場合がありますが、実施の有無・品目・条件は市町村ごとにバラバラです。「市の施設に持ち込めるか」は思い込まず、必ず問い合わせてください。

まとめ

  • 事業系一般廃棄物=事業由来で産廃20種類以外。家庭ごみ集積所はNG
  • オフィスのごみは事業系一般と産廃の混合——3系統の分別が実務の答え
  • 委託先の許可は市町村の一廃許可(産廃許可とは別物)
  • 産廃側の手続きは処理の流れ

参照法令:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第2条・第3条・第6条の2・第7条・第11条第2項

よくある質問

会社のごみを家庭ごみの集積所に出してもいいですか?

いけません。事業活動に伴うごみは量が少なくても家庭ごみの収集対象外です。事業系一般廃棄物として市町村の許可を受けた収集運搬業者に委託するか、自ら処理施設に持ち込む必要があります。無断で集積所に出すと条例違反として指導・公表の対象になり得ます。

オフィスから出るごみはすべて事業系一般廃棄物ですか?

いいえ。紙ごみ・生ごみなどは事業系一般廃棄物ですが、廃プラスチック類(弁当容器・ファイル等)、金属くず、ガラス陶磁器くずなどは業種を問わず産業廃棄物です。オフィスのごみは実は「事業系一般」と「産廃」の混合であり、自治体のルールに沿った仕分けが必要です。

あわせ産業廃棄物とは何ですか?

市町村が、一般廃棄物と併せて処理できると認めた産業廃棄物を自らの施設で受け入れる制度です(法第11条第2項)。少量の産廃を地域の実情に応じて市町村施設で処理できますが、実施の有無・対象品目は市町村ごとに異なります。

本記事は2026-07-16時点の法令・公開情報にもとづく一般的な解説です。個別の判断は、管轄の都道府県・政令市または専門家(行政書士・弁護士等)にご確認ください。