廃油は業種を問わず産業廃棄物になる品目で、工場の潤滑油から飲食店の天ぷら油まで幅広い油が含まれます。実務の分かれ目は2つ——「鉱物系か動植物系か」「引火点70℃未満か」です。

廃油の分類と処理ルート

分類代表例主な処理・リサイクル
鉱物性廃油潤滑油、作動油、洗浄油、切削油再生重油(燃料化)、油水分離後に焼却
動植物性廃油使用済み食用油、食品工場の油脂飼料原料、石けん、バイオディーゼル燃料
引火性廃油(特管ガソリン・灯油・軽油系、シンナー類特管許可業者による焼却・蒸留再生
廃液系(乳化油等)水溶性切削油、洗浄廃液油水分離・中和などの中間処理

再生重油というリサイクルの主役

鉱物性廃油の多くは、水分・不純物を取り除いて再生重油として燃料利用されます。性状が良い廃油(水分・混入が少ない)は買取や処理費減額の対象になることもあり、「油だけを、混ぜずに集める」ことが価値を保つコツです。

食用油は「捨てる」から「売る」へ

使用済み食用油は飼料・バイオ燃料の原料として引き合いが強く、無償回収・買取も一般的です。ただし回収者が無許可の「くず屋」的業者だとトラブルの元。有価売却でも、相手の事業実態と契約書は確認しましょう。

特管判定:引火点70℃のライン

引火点70℃未満の廃油は特別管理産業廃棄物(引火性廃油)です。

  • ガソリン類・灯油類・軽油類の廃油、シンナー・溶剤系はほぼ該当
  • 潤滑油系は引火点が高く、通常は該当しません
  • 混合されて性状不明な廃油は引火点分析で確認するのが確実

特管に該当すると、特管の解説のとおり、許可・事前通知・専用マニフェスト(60日期限)・管理責任者と、義務が一段重くなります。

保管の注意点

  • 屋根付き・不浸透床+防液堤のある場所で容器保管(雨水混入は処理費増と流出リスクの元)
  • 引火性のものは火気厳禁、消防法の指定数量(第4類危険物)にも注意
  • 廃油と水・廃液を同じタンクに混ぜない(処理単価が上がり、特管判定も不明瞭になります)

委託時のチェック

  1. 品目は「廃油」でも、性状(鉱物性/動植物性/引火点)をWDSで明示
  2. 引火点70℃未満の可能性があれば分析結果を添付し、特管許可業者へ
  3. 収集運搬はタンクローリー・ドラム対応など荷姿に合った業者を選ぶ

参照法令:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 施行令第2条第4号・第2条の4(特別管理産業廃棄物)、消防法(危険物第4類)

よくある質問

飲食店の使用済み天ぷら油はどう処分しますか?

動植物性の廃油として産業廃棄物にあたり、許可業者への委託が基本です。使用済み食用油は飼料・石けん・バイオディーゼル燃料の原料として買取・無償回収されるケースも多く、リサイクルルートが充実しています。

どんな廃油が特別管理産業廃棄物になりますか?

引火点70℃未満の引火性廃油(ガソリン・灯油・軽油系など)です。該当すると特管の許可業者への委託、事前通知、専用マニフェスト(確認期限60日)が必要になります。判定には引火点の分析が確実です。

少量の廃油を排水口に流してもいいですか?

絶対にいけません。水質汚濁防止法・下水道法違反となるほか、廃棄物の不法投棄(5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金)と評価されるおそれがあります。少量でも容器で保管し、許可業者に委託してください。

本記事は2026-07-12時点の法令・公開情報にもとづく一般的な解説です。個別の判断は、管轄の都道府県・政令市または専門家(行政書士・弁護士等)にご確認ください。